プリント基板
プリント基板には、様々な形状、材質のものがあります。
プリント基板の構造
- 片面基板
片面のみに配線パターンが形成されたものです(1層基板)
配線が1平面にあるため、配線が交差するような複雑な回路を構成することはできませんが、コストを低く抑えることが可能となります。 - 両面基板
両面に配線パターンが形成されたものです(2層基板)
両面の配線で立体交差が可能なため、片面板に比べより密度の高い配線をすることができます。 - 多層基板
絶縁体とパターンを積み重ねたものです。
部品の実装密度が上がり、回路結線が複雑になると、両面では回路配線を収容しきれないため層を増やすことで対応可能にします。 - フレキシブル基板
ポリイミドなどのフレキシブル性のある材料を用いることで、柔軟性を持たせたプリント基板です。
折り曲げる必要がある箇所や、可動部との接続に使われます。
フレキシブル基板にも、両面や多層基板があります。 - IVH多層基板
多層基板において、穴を貫通させずに必要な層間のみを接続する基板のことであり、多層基板の複数の導体層の層間を接続するVIA(穴)が2つ以上あり貫通穴以外のVIAがある基板の事を言います。 - ビルドアップ基板
コアとなる多層プリント配線板の上に絶縁層をつくり、その表面に導体パターンをつくります。
このパターンと、絶縁層に「ビア」と呼ぶ微細な穴をあけ、めっきで接続します。
これを繰り返して、幾層もの導体層と絶縁層を積み上げる工法で、この工法を用いたものをビルドアップ基板といいます。 - メタルベース基板
放熱性を高めることを目的としたプリント基板です。
金属(アルミ板または銅板)の上に絶縁層、さらにその上に導体である銅はくを重ねた基板の事です。
LEDを搭載した照明用途のプリント基板として広く活用されています。
メタルベース基板は、LEDが発光することにより発生した熱を放熱させることに長けたプリント基板です。
その中でもアルミ基板は最も広く使われている金属ベース基板( 又は金属コア基板)の1つです。
アルミ基板の構造は通常の基板と大きく変わりません。
①アルミ層、②誘電層(絶縁層)、③回路層(銅箔層)と④アルミ薄膜(保護層)に分けられます。
そしてアルミは他の金属基板と比較して安価で環境負荷の少ない無毒な金属であり大変軽く、同じ重さの他の金属基板より強さと柔軟性を持っています。
プリント基板の材質
- 紙フェノール基板
紙にフェノール樹脂を含浸したものです。
安価で加工性が良いので、プレスによる打ち抜きで民生機器用基板を大量生産する際に使われます。 - 紙エポキシ基板
紙にエポキシ樹脂を含浸したものです。
紙フェノールとガラスエポキシの中間的な特徴を持ち、通常片面基板として利用されています。
絶縁抵抗性、吸湿性が紙フェノール基板より優れているため、「高電圧回路」や「吸湿性を要求される回路」に使用されることが多いです。 - ガラスコンポジット基板
ガラス布(ガラス繊維(グラス・ファイバ)を布状に編んだガラス織布)+ガラス不織布を混ぜ合わせた複合基材に、エポキシ樹脂を含侵させた材料で製造したものです。
安価な両面基板として使用されることが多いです。
ガラスエポキシ基板と電気的特性が同等なので、ガラスエポキシ基板の代替としてよく使用されています。 - ガラスエポキシ基板
ガラス布を重ねたものに、エポキシ樹脂を含浸したものです。
電気的特性・機械的特性ともに優れています。
上記の3つの基板と比較して高価ではありますが、近年の需要増加により、価格は下がる傾向にあります。
現在最も多く使用されている基板であり、多層基板のほとんどがガラスエポキシ基板で、両面実装用基板としても一般的に使われています。
加工
- Vカット(ジャンピングVカット)
- ルーター加工
- ハトメ加工
大東市を拠点に国内はもとより、海外での独自の専門モノづくりネットワークを駆使し短納期製造とタイムロスのない効率化・低コストを図っています。